北朝鮮の最大都市“平壌”には世界で最も巨大な廃墟があることをご存知だろうか?この巨大な三角形の建物の名は「柳京(りゅうけい)ホテル」。“世界最大の廃墟”と称され、その高さは105階あると言われている。
ソウルオリンピックに対抗して建築
柳京ホテルは、1988年に開催されたソウルオリンピックに対抗して北朝鮮が建設を始めた未完成ホテルだ。
翌年行われた第13回世界青年学生祭典の開催地であった北朝鮮は、当時韓国やシンガポールのホテルよりも高いホテルを作ろうと力を入れたのだ。
なぜ廃墟になってしまったのか
作ろうとしたのまでは良かった。問題は間に合わなかったことにある。ホテルがあまりにデカすぎて祭典までの建設期間が足りなくなってしまったのだ。
仕方なく北朝鮮は柳京ホテルの建設を諦め、別のホテルを用意することに。
87年〜89年の2年間に完成するはずだった柳京ホテルは、建設中から世界中にアピールするため地図にも載るほどだったという。祭典が終えた後も資金と技術不足に悩まされた北朝鮮は、日本をはじめ世界各国との外資戦略を考える。
外国人のツアー内容に無理やり建設中のホテルを組み込んだり、カジノを設置して観光客を惹きつけることも考案したのだ。しかし・・・
1992年、ついに建設が中止へ
1992年についに建設が完全中断してしまう。窓も外装もないハリボテ状態で放置。原因はやはり資金不足、そして電源供給にも問題があったという。
また設計ミスと地盤の不安定さにより、ホテルには傾きがあることが分かっている。一部の専門家によると建設は不可能という声もあり、アメリカの有名ファッション誌エスクァイアには「人類史上最悪の建物」、「傾いた北朝鮮式シンデレラ城」と報道されることに。
さらに米ニュースメディアのCNNには「滅びのホテル」とも呼ばれ、世界から注目を集めることになった。
旅行会社が内部の写真を撮影
時は経ち2008年、16年ぶりについに柳京ホテルの建設が再開される。
2012年時点では旅行会社が招待され、ホテル内部の様子を撮影。建設関係者からあと2.3年で完成する可能性が高いと伝えられたという。
外側には窓ガラスもつけられ、監視員が常に見張る状態で観光コースからも除外されているそう。
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