神戸市灘区の摩耶山中枢。この場所には、心霊スポットを絵に描いたような廃墟ホテルがあるんだ。その名は「摩耶観光ホテル」。行き方を模索する人が多いが、現在立ち入り禁止になっているため内部に入ることはできない。
ただ、2017年には建物の保存プロジェクトも始動しており、見学会ツアーも開催されている日本でも人気の廃墟スポットなのだ。
戦争と台風を乗り越えてきた廃墟ホテルの姿
1929年、つまり90年前もの昔から存在する摩耶観光ホテルは、当時ケーブル会社の福利厚生施設「摩耶倶楽部」として運営がスタートした。
多くの人が利用する人気のホテルだったが1945年、第二次世界大戦が激化したことでケーブルカーの運営が休止。これにあわせホテルの運営も終わってしまう。61年には改装オープンするも激しい台風や経営難から閉鎖へ。
素材は鉄筋コンクリートで作られているが、空襲・台風により外観だけでなく、内部もボロボロの状態になっている。今にも幽霊が出てきそうな雰囲気を醸し出しているが、廃墟化した後に怖い話や大きな事件は取り上げられていない。しばしばテレビのロケ地にも使われ、現在も解体されずに残り続けているのだ。
2017年、観光ツアーで見学可能に
2017年には、所有者によるTwitter公式アカウントが開設される。近代化遺産として後世にホテルを残していくため「摩耶観光ホテル保存プロジェクト」として開催。
クラウドファウンディングによる資金調達や一般見学ツアーが開催されており、摩耶遺跡ガイドウォーク企画の中で外観のみ見ることができる。
マヤ遺跡ガイドツアー御一行様がお見えになりました。 #マヤ遺跡ガイドツアー #摩耶観光ホテル pic.twitter.com/Un05swY3Sg
— 摩耶観光ホテル 公式アカウント (@mayakanko_hotel) 2017年7月19日
また所有者によると、ホテル内ではセコムや監視カメラが作動中。許可のない立ち入りは固く禁止されている。
こちらはドローンによる外観映像だ。鉄筋コンクリートなので形はしっかり残っているが、それでもダメージは酷い。
昔は屋上に煙突もつけられていたが、台風によって吹き飛んでしまったそう。割れた窓ガラスがホテル内部に散らかり、浸水やサビが広がっているのが分かる。ホテルに残る装飾品の中には、わずかに原型を留めているものもあるが、ほとんどのものはサビて腐敗している。
また、侵入者による酷い落書きが見られる。鬼の完成度が異常に高いのは気のせいだろうか。
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