絶対触れたらあかんぜよ。動物達を石化させる炎の湖「ナトロン湖」

ナトロン湖
image credit:ナトロン湖(Cloud mind)

アフリカのタンザニアには通称「炎の湖」と呼ばれる不思議な湖が存在する。一体なぜこんなにも赤く染まっており、穴のようなものが空いているのだろうか?見るからに入ったらやばそうな湖だが、その勘は正しい。

この奇妙な湖の正体は強烈なアルカリ湖なのだ!

動物達が石化するおぞましい湖

ナトロン湖

image credit:Lake Natron, Tanzania | Exotisiv

タンザニアのロリオンドにあるこの湖は、世にも珍しい真っ赤な湖として、「炎の湖」などと呼ばれることもある。一体なぜこんなにも赤いのか。専門家によると、この赤みは微生物が大量繁殖した結果だという。

ナトロン湖のpHは、アンモニアと同等レベル(9〜10)とされ、周りに木や日陰もないことから魚や動物はほとんどいない。だが、この湖にはある微生物がいる。雨が少ない乾季には、元々高い湖の塩分濃度がさらに上がり、それを好む微生物の一種(スピルリナ:藍藻類)が繁殖をし始める。この微生物達が色素を湖に分泌することで真っ赤に染まるのだという。

降水量の変化によって湖の色は多彩にかわり、アルカリ塩が固まったものやソーダの塊が不思議な模様を作りだすのだ。

石灰化して打ち上げられた動物達

また、この湖は絶滅の恐れがあるレッサーフラミンゴの繁殖地でもある。フラミンゴ達は、色素を含む藍藻類を食べることで体にピンク色がつくという。

ただし、それは浅瀬での話。湖にはどっぷり入ってしまった動物たちは、炭酸ナトリウム(ソーダ)と高い塩分の溶液に体をつけることで「石灰化」という現象が起きる。嘘みたいな写真だが、マジだ。その姿はどうみても突然石化されてしまったモンスターにしか見えない。

石灰化(英: calcification)とは軟部組織にカルシウム塩が沈着する現象あるいは沈着した状態。様々な生物で見られ、結果として硬化した組織などが形成される。(石灰化 – Wiki

以下の写真たちは、写真家Nick Brandt氏が湖のほとりに打ち上げられていた動物たちを拾い上げ、まるで今も生きているかのような構図に配置して撮影したものだ。

ナトロン湖の石灰化したフラミンゴ

フラミンゴ:Nick Brandt: Photography

Nick氏は「動物達の翼を曲げたり、頭を動かしたりすることはできなかった。彼らは完全に岩のようだった。」と語っている。

湖は、塩基性が非常に高いため水面がまるで鏡のように反射しており、この中にカメラのフィルムをつけたりするとインクが一瞬で剥げてしまうのだとか。人間が手を入れてもまずタダでは済まないだろう。。

ナトロン湖の全長は50km・幅20km・水深3mだが、現在は砂漠化の影響で少しづつ縮小しているという。将来は、草原になる可能性が高いようだ。

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