帽子そっくりのクモに出血しちゃうトマトまで。2017年、科学者達を驚かせた新種生物ベスト10

新種生物」なんて聞くと、何か特殊な技能を持ってるんじゃないかとワクワクしてしまう。地球には数百万もの生物達が共生しているが、毎年のように発見される新参者を日常で知る機会は少ない。

というわけで今回は、今年2017年に発見されたハリーポッターの帽子そっくりなクモから4つのペニスを持つ昆虫、出血するトマトなど、研究者達も驚いた10種の新種生物達をご紹介!見つけると好きな名前を付けられるのがいいよね。

1.ハリーポッターの帽子にそっくりなクモ(インド)

Eriovixia gryffindoriインドのカルナータカ州で発見されたこのクモの名前は、「エリオビクシア・グリフィンドール:Eriovixia gryffindori」。魔法使いの映画「ハリーポッター」に登場する帽子にそっくりなことから、この名がつけられた。

長さは7ミリで夜行性。乾燥した葉っぱに擬態できるため、捕食者から身を守るのが得意。ハリーポッターの原作者・JKローリング氏も、発見した研究者を賞賛しているという。ハリーポッターの帽子そっくりなクモ

2.葉っぱのようなカミキリムシ(マレーシア)

葉っぱのようなカミキリムシ葉っぱに擬態したこの昆虫は、カミキリムシの新種(学名:Eulophophyllum kirki)。マレーシアのボルネオ島でタランチュラやヘビの研究をしていた所を偶然発見。

学名のkirkiは、写真を撮影したPeter Kirk氏の名前からとられているが、保護区域で発見されたため、回収の許可が降りずに標本は取れていないという。

葉っぱに擬態することで敵から身を隠すことができる。長さは約1.5cmほどでオスは緑色だが、メスはピンク色と珍しい色合いをしている。Eulophophyllum kirki

雑食ラット(インド)

Gracilimus radixインドのスラウェシ島で発見された草も肉も食べる雑食のラット(学名:Gracilimus radix)。

灰褐色で体は細く、まばらな毛並みをしているのが特徴。哺乳類で新種が見つかることは珍しいが、スラウェシ島にはまだ未知領域が多いという。今後も未発見のラットが見つかると研究者は推測している。2012年以降、げっ歯類としては7種目の発見となる。

414本の足を持つ昆虫(アメリカ)

Illacme tobiniカリフォルニア州のセコイア国立公園で発見された新種の昆虫(学名:Illacme tobini)。研究者の分析によると、この奇妙な生き物には414本もの足と4つのペニスがついているという。さらに奇妙な形の口を持ち、身を守るために体から有毒物質を分泌するという4拍子。

2006年に発見された最大750もの足を持つIllacme plenipesの進化系(第2種)としてIllacme tobiniの名前が命名された。
Illacme plenipes

ゲーム・オブ・スローンズのドラゴンに似たアリ(パプアニューギニア)

P heidole drogonパプアニューギニアの熱帯雨林で発見された新種のアリ。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の3D技術によって全身が筋肉で覆われていること。そして鋭い棘を持った姿などがTVゲーム「ゲーム・オブ・スローンズ」に登場するドラゴンに似ていることから「Phidole Drogon:ドラゴンアリ」の名が命名。

筋肉は、捕食者から身を守るために発達していると考えられている。P heidole drogon-3D

水玉模様の淡水エイ(ブラジル)

Potamotrygon rexブラジルのトカンチンス川で発見された淡水エイ(学名:Potamotrygon rex)。標本の体長は約1.1メートル・体重20kgにもなり、黒褐色の肌とオレンジ色の斑点からなる禍々しい姿からRex(王様)の名が命名された。Potamotrygon rexなお、このトカンチンス川は特殊な魚が発見されることが多く、これまで発見された魚350種類の内、地球上の他の場所では見ることができない割合は35%にも及ぶという。

水陸両用のムカデ(タイ)

Scolopendra cataractaタイの岩の下で発見された水陸両用の新種ムカデ(学名:Scolopendra cataracta)。

陸地では20組の足を使ってムカデのように動くが、水の中ではまるでウナギのようにスイスイ泳ぐという。その体長は約20cmにもなり、強力な毒を持っている。
Scolopendra cataracta

切ると出血するトマト

Solanum ossicruentumペンシルベニア州に通う150名の学生から名付けられた世にも不思議なトマト(学名:Solanum ossicruentum) 。植物学者には約50年前から知られていたそうが、今年になってSolanum dioicumの関連種として同定された。

元々は白に近い緑色だが、カットすると時間が経つに連れて血まみれのように色が染まっていく。この不思議な現象は酸化によるものと考えられている。

悪魔の顔を持った花(コロンビア)

Telipogon diabolicusコロンビアで発見された雄しべと雌しべが融合するラン科の植物(学名:Telipogon diabolicus)。

どう見ても悪魔の顔にしか見えないが・・現在は道路の再建が進められるコロンビアの湿地帯でのみ見つかり、数も少ないため絶滅の危険性が高いという。Telipogon diabolicus

チュロスに似たピンク色のワーム(アメリカ)

Xenoturbella churroカリフォルニア州の海底12,000フィート(3,658メートル)で発見されたワームの一種(学名:Xenoturbella churro)。体長は10cmほどで揚げたチュロスに形が似ていることからchurroの名が付けられた。

Xenoturbella属としては60年前からスウェーデンで発見されていたが、同種は12年間に渡る海底潜水艦の調査で新たに発見。遺伝子解析から生命の中で最も古い種の1つということが判明している。
Xenoturbella churro

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2017年8月18日

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